2018.01.01
引退したレオンへ ~感謝の手紙~
2017年12月14日、二頭目のアーミが聴導犬認定試験に合格し、晴れて聴導犬になりましたが、それと同時に聴導犬レオンの引退が決定いたしました。
レオンが聴導犬として大阪に来たのは8年前のことでした。まだ聴導犬が広まっていない中、レオンは聴導犬が広まるよう、講演活動をしました。
その講演の数はこれまでで104回にも及びました。私にとってレオンという聴導犬は相棒でもあり、体の一部のようなものでした。
神様に願いを叶えてくれるなら、「レオンと一緒に年を取りたい」それに尽きます。
犬のほうが寿命は短いというのはわかっていましたが、引退となると寂しく感じます。
でも私の中ではレオンとの思い出はたくさんあります。
それは講演活動の中でいろんな人たちの出会い。いろんな土地に触れて共に絆を確認できたことです。
私の中の「聴導犬」はレオンそのものです。
その思いはいつも初心に戻って聴導犬ユーザーとして大事なことを忘れずにいられるので、最初の聴導犬がレオンでよかったです。
私はアバウドで適当でいい加減なところがありましたが、レオンのその生真面目なところが私を凛とさせてくれました。
レオンが私を育ててくれたようなものです。レオンと一緒になった私は以前と違って何もかもきっちりとこなせるようになりました。
まさにレオンは私の中の「日本人としての心」を引き出し、筋が通った人間としてしつけたようなものです。
または性格的にピリピリとしたものもなくなり、「のほほん」と明るい性格になれたのもレオンのお蔭です。まさにレオンは改革を起こした「愛の伝道師」そのものです。
私から、レオンにぜひ国民栄誉賞を与えたいほど、心から感謝しています。
私は生まれつき聴覚障がい者なのですが、その曖昧なところをレオンはしっかりと繋げ、社会に導いてくれました。
つまり、レオンが「聴導犬」という看板を持ち歩き、私と一緒に社会に出ることで、私は「聴覚障がい者」として正しい啓蒙活動ができたのです。
レオンは私の良きところを引き出し、みんなに披露することができたのだと思います。
それだけでなく、私はレオンの力のお蔭でマンガを描き、聴導犬や補助犬に関するマンガを描くようになりました。
私にとってレオンは恩師です。
そして「秋の音」があることを生まれて初めて教えてくれました。
私は長いこと生きてきたのに、夏の終わりを告げる虫の鳴き声があることも知りませんでした。
レオンはその感動を教えてくれたよきパートナーでした。
生まれ変わってもレオンと一緒になりたいと思っています。
来世でも一緒になろうと私はレオンに語っています。
レオン、ありがとう!そしてお疲れ様です。
恩返しに私は最後までレオンの生活を見届けますね。
ずっと一緒にね!
安藤美紀